マンションや戸建てのフルリノベーションの費用相場は?失敗しない予算計画も紹介!

マンションや戸建てのフルリノベーションの費用相場は?失敗しない予算計画も紹介!

長年住んで愛着のある自宅も、築年数が長ければ時間の経過とともに内装や設備が劣化します。

中古住宅の購入や親や親族からの住宅の相続においても、内装や設備が老朽化した状態で物件を引き継がなければいけません。

一方で新築マンションや戸建てを購入すれば、新しいデザインや設備の住宅でライフスタイルにも適した生活ができますが、多額の購入資金がかかります。

そこでフルリノベーションを行えば、コストを抑えて古くなった住宅をリニューアルできるうえに、現在のライフスタイルに合った理想の空間を演出できます。

本記事ではマンションや戸建てのフルリノベーションの費用相場を紹介し、失敗しない予算計画も解説します。

この記事を読めば、最適なリノベーションのメソッドを掴めるのでぜひ参考にしてください。

目次

フルリノベーションとは?

フルリノベーションとは?

フルリノベーションとは既存の建物の骨組みを残しつつ、内装や設備、間取りなどを全面的に刷新することです。

単なるリフォームとは異なり、住まいの機能性やデザイン性を向上させ、ライフスタイルに合わせた空間へと一新します。

フルリノベーションは断熱性や耐震性の向上も図ることも可能で、新築同様の快適な住まいを実現する大規模な改修工事です。

下記にフルリノベーションでの内装工事を行う際の費用相場や、業者選びのポイントなどを記載した記事を掲載するので参考にしてください。

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マンションのフルリノベーションの費用相場

マンションのフルリノベーションの費用相場の項目として、以下の14点が挙げられます。

・解体・撤去工事の費用相場
・スケルトン工事(構造躯体のみを残す工事) の費用相場
・大工工事と内装下地の費用相場
・電気工事と配線の費用相場
・給排水とガス工事の費用相場
・壁・床・天井の内装仕上げの費用相場
・キッチン交換の費用相場
・バスルーム交換の費用相場
・トイレ交換の費用相場
・洗面化粧台交換の費用相場
・建具・収納工事の費用相場
・インテリア・造作家具の費用相場
・設計やデザインの費用相場
・諸経費の費用相場

フルリノベーションに必要な費用を細かく確認し、適切な予算を組んでください。

解体・撤去工事の費用相場

マンションでフルリノベーションを行う際の解体・撤去工事費は、専有部分のみを対象にした場合でおおむね 1㎡あたり8,000〜15,000円が目安です。

たとえば60㎡の住戸なら約50~120万円前後が一般的な相場になります。

キッチンやユニットバスの撤去など重量物が多い場合や、産廃処分費が高い地域・高層階で搬出難度が上がるケースでは価格は上限寄りになり、逆にスケルトン仕様で既に内装が少ない場合は下限寄りになるイメージです。

スケルトン工事(構造躯体のみを残す工事) の費用相場

出典:ミサワホーム公式動画

マンション専有部をスケルトン状態まで解体して下地を組み直す工事は、1㎡あたり3〜5万円程度が相場です(解体・産廃処分・床・壁・天井の下地再構築までを含む)。

下記に60㎡、80㎡住戸のスケルトン工事の費用相場を表記します。

住宅の広さ(㎡)スケルトン工事の費用相場
60㎡住戸約180~300万円
80㎡住戸約240~400万円


配管・電気幹線が古く共用部から引き直しになる、梁型が複雑で下地調整が多い、高層階で搬出入の養生が厳しいなどの条件では価格が上限寄りに、逆に天井スラブが水平で配管更新が不要なら下限寄りに収まることが一般的です。

大工工事と内装下地の費用相場

大工工事(間仕切り・床組み・造作)と石膏ボードなど内装下地までをまとめた費用は、標準的なマンション専有部で 1㎡あたり4~7万円が目安です。

たとえば70㎡の住戸なら約280~490万円、90㎡なら約360~630万円程度が相場となっています。

無垢フローリングや曲線壁、造作収納が多い場合は上限を超えることもあり、逆に既製建材中心で間仕切りが少ないプランなら下限寄りに抑えることも可能です。

階高が低く天井懐の調整が不要な場合や高層階で搬入養生が厳しいなど、現場条件でも価格相場が変動します。

電気工事と配線の費用相場

マンション専有部をフルリノベーションする際、分電盤更新や幹線引替え(室内側)、各回路配線や照明、コンセント増設を含む電気工事の目安は 1㎡あたり1.5万~2.5万円程度です。

下記に60㎡、80㎡住戸の電気工事と配線の費用相場を表記します。

住宅の広さ(㎡)電気工事と配線の費用相場
60㎡住戸約90~150万円
80㎡住戸約120~200万円

IHやEV充電器用200 V回路、調光やスマートホーム機器など負荷や回路が増えるほど価格が上限寄りになります。

築年数が古く共用幹線からの引込をやり直す場合や、高層階で配線経路が複雑な場合もコストアップする可能性が高いです。

一方で照明・コンセント数を抑え、既存幹線を流用できるケースなら価格が下限付近に収まります。

給排水とガス工事の費用相場

マンション専有部で配管をすべて更新し、給水や給湯、排水やガスの切り替えや増設を行う場合、相場は1㎡当たりおよそ1.8~3万円程度です。

一般的には60㎡なら約110~180万円、80㎡で約145~240万円程度が目安ですが、アイランドキッチンや給湯器移設、床暖房追加など水まわり変更が多いほど上限寄りに、高層階や勾配確保が難しい現場も割高になります。

一方で位置変更が少なく、既存立て管が健全で流用できる場合は下限の価格相場に近づけられます。

壁・床・天井の内装仕上げの費用相場

マンション専有部でスケルトン後に行う内装仕上げ(床仕上げ材・巾木、壁紙・塗装・タイル、天井クロスなど)の標準的な費用相場は、材料グレードを中級品とした場合で 1㎡あたり2.5~4万円が一般的な相場です。

例として70㎡の住戸なら約175~280万円、90㎡なら約225~360万円程度に推移しています。

無垢フローリングや大型タイル、左官塗り壁や間接照明を組み込む折上げ天井など、意匠性の高い仕様を選ぶと上限価格を超えやすく、一方で複層フローリングや量産クロス主体でアクセント貼りを最小限に抑えれば、下限寄りの価格に収めることも可能です。

高層階での材料搬入コストや、防音等級LL-45以上の遮音フロアを採用する場合も追加費用が発生するので事前に確認しましょう。

キッチン交換の費用相場

マンションでキッチンを丸ごと新調する場合、本体や扉材、ワークトップや水栓、レンジフードや食洗機などの交換施工費を含めた総額は 70~250万円程度が一般的です。

I型2550 mmの中級システムキッチンを同位置へ入れ替えるなら100万前後、アイランド型やL型でサイズが大きく、人工大理石天板やハイグレード扉、フルオープン食洗機やタッチレス水栓などを選ぶと200万超えも珍しくありません。

配管移設や下地補強、コンロをIHからガスへ(または逆)変更する場合は別途数万~20万円ほど上乗せされます。

下記にキッチンのリフォームにおける、有効なアイデアを紹介した記事を掲載するので参考にしてください。

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バスルーム交換の費用相場

マンションのユニットバスをまるごと入れ替える場合、解体撤去や新規ユニットバス本体、組立施工や給排水工事、電気接続や防水処理工事まで含めた総費用は 80~200万円前後が相場です。

1216サイズの標準仕様なら100万円弱に収まることが多く、1418以上へサイズアップしたり、人工大理石浴槽や断熱蓋、ミストサウナや浴室乾燥暖房機などを追加すると150~200万円超えとなります。

既存が在来浴室で、土間や梁型の補修や高層階でクレーン搬入が必要などの条件においてもコストは上がるので注意しましょう。

トイレ交換の費用相場

マンションでトイレを新調する場合、既存器具の撤去処分から新規便器やタンク(またはタンクレス)、温水洗浄便座や紙巻器、手洗い器の取り付けや給排水、電源接続や床・壁の内装貼替まで含めた総費用は 20~60万円前後が目安です。

ベーシックな組み合わせ便器を同位置へ交換し、量産クロスやクッションフロア仕上げなら25万円ほどで収まることが多く、タンクレスや自動開閉・除菌機能付き高機能便座、手洗いカウンターやアクセントタイルなどを採用すると40~60万円程度になります。

レイアウト変更による配管の移設や、壁の造作で収納ニッチの設置、高層階で搬出入養生が厳しい場合などはさらに追加費用が発生するので事前に確認しましょう。

下記にトイレ交換のDIYを詳しく解説した記事を掲載するので、こちらも併せて参考にしてください。

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洗面化粧台交換の費用相場

マンションで洗面化粧台を交換する際、既存撤去や給排水と電源の接続、本体組立設置や壁床仕上げ補修まで含めた総費用は 15~50万円程度が相場です。

幅750 mmの既製セット品を同じ位置に入れ替えるだけなら20万円前後で収まることが多く、幅900~1200 mmのハイバックカウンターやツインボウル、人大天板や収納三面鏡、間接照明を備えた造作タイプにすると35~50万円近くになります。

水栓位置や排水経路の変更、タイル貼りやモルタルカウンターなど意匠仕上げを追加する場合や、高層階で搬出入や養生に手間がかかる場合はさらに上乗せ価格となります。

建具・収納工事の費用相場

マンションのフルリノベーションで室内ドアや引き戸、クローゼットや可動棚など建具や収納を一新する場合、既製建具を基本とした標準仕様なら1㎡当たり約6,000~9,000円前後が目安で、70㎡住戸で40~65万円程度に収まることが多いです。

框組みドアやハイドア、ソフトクローズ機構や多連引き戸、全面ミラー扉や造作ウォークイン収納など、意匠性や機能性を高めるにつれて1㎡1.2~2万円以上になり、70㎡住戸で80~140万円程度になるケースもあります。

搬入経路が限定される高層階や、梁や袖壁の絡みで特注サイズが必要な現場ではさらにコストが上がる一方、既存枠を活かして扉のみ交換したり、市販の組立式収納を併用すれば価格を下限寄りに抑えることも可能です。

インテリア・造作家具の費用相場

フルリノベーションで造り付け収納やテレビボード、カウンターデスクや間接照明付き飾り棚など、オーダー家具やインテリアを新設する場合、標準的なマンションでは総額で50~250万円程度が相場です。

リビングに幅3メートルの造作テレビボードと可動棚程度なら70万前後に収まることが多く、ダイニングにカウンター収納、寝室にウォークイン内の可動棚一式、玄関にベンチ一体のシューズクローゼットなど住戸全体へ追加で設置すると150~200万円台と高くなります。

突板や無垢材、ハイグロス塗装やソフトクローズ金物、間接照明やコンセント組込みなど仕様グレードを上げ、曲線形状やフローティング施工など高度な造作を加えると300万円近くまで上がることもあります。

一方で既製品と造作を組み合わせ、寸法調整用のフィラー加工を最小限にとどめれば50~100万円程度で抑えることも可能です。

設計やデザインの費用相場

マンションのフルリノベーションで専門家(設計事務所やデザイン対応リフォーム会社)に依頼する場合、設計やデザイン料は「工事費の10%~20%」が一般的な算定基準となっています。

総工事費1,500万円なら150~300万円、2,500万円なら250~500万円程度となるイメージです。

戸数が多い大規模リフォームや意匠性の高いワンオフ家具、照明計画を含む場合は20%超となる一方、間取り変更が少なく標準仕様の設計であれば8~10%に収まるケースもあります。

設計監理を省いた施工会社の標準プランを活用すると、5%前後まで抑えられることもあるので確認しましょう。

諸経費の費用相場

マンションのフルリノベーションにかかる諸経費は、全体工事費の5~10%程度が一般的な相場です。

たとえば工事費が1,500万円の場合、諸経費は約75~150万円程度となります。

この費用の中には、設計や現場管理費、仮設工事費や近隣対応費、共用部養生費や搬入出調整費、駐車場確保や役所申請手続き費用、予備費などが含まれます。

マンション特有の要素として、共用部の使用制限や管理組合への申請対応、エレベーターの養生や時間制限などの影響により、戸建てより諸経費比率がやや高くなるケースも多いです。

加えて高層階や都市部などで搬入出や作業時間に制約がある場合、10%を超えるケースもあるので注意しましょう。

戸建てのフルリノベーションの費用相場

戸建てのフルリノベーションでは、構造上マンションよりも多岐にわたる工事が必要です。

ここからは、戸建てのフルリノベーションで必要な20の項目の費用相場を紹介します。

解体・撤去工事の費用相場

戸建て住宅のフルリノベーションにおける解体・撤去工事の費用相場は、建物の構造や規模によって異なりますが、1㎡あたり1~1.5万円程度が一般的です。

延床面積が100㎡の場合であれば、約100~150万円前後が目安となります。

この費用には、内装材(床・壁・天井)や住宅設備機器(キッチン・浴室・トイレなど)の撤去、建具や造作物の解体や産業廃棄物の運搬・処分費用などが含まれます。

木造は比較的安価で済みますが、鉄骨造やRC造、築年数が古くアスベスト含有の可能性がある場合は追加費用が発生する可能性が高いです。

再利用を前提とした部分解体(スケルトン化)は、丁寧な作業が求められるため、全撤去より費用が高くなる傾向があります。

スケルトン工事の費用相場

戸建て住宅のフルリノベーションにおけるスケルトン工事(構造躯体のみを残して内部をすべて解体、再構築する工事)の費用相場は、1㎡あたり3~万円程度が一般的です。

延床面積が100㎡の場合、約300~600万円が目安となります。

この費用には内装の全面解体や床・壁・天井の下地づくり、構造補強(必要に応じて)や断熱材の撤去・新設などが含まれます。

木造で構造が単純な住宅なら下限寄りの価格に収まりやすい一方、築年数が古く耐震補強が必要な場合や、RC・鉄骨造で下地工事が複雑になる場合は上限またはそれ以上の価格になる可能性が高いです。

2階建て以上の住宅や狭小地での作業では、足場や搬出コストが増えるため、追加費用が発生するケースもあります。

大工工事の費用相場

戸建て住宅のフルリノベーションにおける大工工事(間仕切り造作、床組み、天井下地、下地材の施工など)の費用相場は、1㎡あたり4~7万円程度です。

延床面積が100㎡の場合、約400万~700万円が目安となります。

この工事は住まいの骨格を形づくる最も基本的な工程で、間取り変更が多い場合や構造補強が必要なケース、複雑な天井や階段の造作などが含まれると費用が高くなります。

無垢材のフローリング下地や高性能断熱材の施工、床暖房対応の下地処理なども加わると上限寄りの金額になる一方、構造の変更が少なく既存下地を一部流用できる場合は費用を抑えることも可能です。

葺き替えや補修などの屋根工事の費用相場

戸建て住宅のフルリノベーションにおける葺き替えや補修を含む屋根工事の費用相場は、工法や材料によって大きく異なりますが、1㎡あたり1.2~3万円程度が一般的です。

屋根面積が80㎡の場合、約100万~240万円前後が目安となります。

葺き替えや補修を含む、屋根工事の具体的な内容を下記に表記するので参考にしてください。

・既存屋根材の撤去+新規屋根材への葺き替え(ガルバリウム鋼板・スレート・瓦など)
・野地板の補修・交換、防水シート(ルーフィング)の張り替え
・破風・軒天・雨樋の補修・交換

瓦屋根から軽量金属屋根への変更などは耐震性向上に寄与しますが、施工費はやや高めになります。

一方既存屋根の上から新たな屋根材をかぶせるカバー工法で済む場合は、㎡単価1万円前後に抑えることも可能です。

ただし劣化が進んでいる場合や、構造補強が必要な場合は追加費用が発生するので注意しましょう。

張り替えや塗装などの外壁工事の費用相場

出典:関西ペイント公式

戸建て住宅のフルリノベーションにおける、張り替えや塗装などの外壁工事の費用相場は工法や仕上げ材によって異なりますが、1㎡あたり8,000~2.5万円程度が一般的です。

外壁面積が150㎡の場合、約120~375万円が目安となります。

工事内容と一般的な相場を下記に表記するので参考にしてください。

工事内容 費用相場 
外壁塗装(シリコン・フッ素・無機塗料など)1㎡あたり8,000円~1.5万円程度 
外壁張り替え(サイディング・ガルバリウム鋼板など)1㎡あたり1.5万~2.5万円程度 
シーリングの打ち替え、防水処理、下地補修別途数十万円規模

築年数が古く、下地や胴縁の腐食補修や断熱材の入れ替えを伴う場合は費用が高騰しやすく、高所足場が必要な2階建て以上の住宅では足場代として20万~50万円前後が別途必要です。

カバー工法を用いることで費用を抑えられるケースもありますが、下地が劣化していれば施工は難しいでしょう。

外壁塗装の相場を詳しく把握したい方は、下記の記事をチェックしてください。

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サッシや窓の交換の費用相場

戸建て住宅のフルリノベーションでサッシや窓を交換する場合の費用相場は、1か所あたり10~40万円程度が一般的です。

住宅全体で見ると、窓の数やサイズ、性能グレードに応じて総額50~200万円前後が目安となります。

具体的な工事内容と価格帯を下記に表記するので参考にしてください。

・腰窓(小型窓)交換:10~20万円
・掃き出し窓(大サイズ)交換:20~40万円
・断熱・防音性能の高い複層ガラス・樹脂サッシを採用する場合は価格上昇
・既存枠の撤去・下地補修・外壁との取り合い処理を伴う場合は別途工事費が加算

開口部の大きさ変更や新規開口を行う場合、耐力壁の補強が必要となり、1カ所あたり5~20万円以上の追加費用が発生することがあります。

内窓(二重サッシ)による断熱性能の向上は比較的安価で、1カ所あたり5~15万円程度で設置可能です。

サッシや窓を交換の交換は、住宅の断熱改修や省エネ補助金の対象になることもあるため事前に確認しましょう。

壁・床・天井の断熱改修の費用相場

出典:旭ファイバーグラス公式

戸建て住宅のフルリノベーションにおける断熱改修(壁・床・天井)の費用相場は、住宅全体を対象とした場合で100~300万円程度が一般的です。

費用相場は断熱材の種類や施工方法、構造の状態によって大きく変動します。

下記に壁や床、天井の断熱改修の内容と費用相場を表記するので参考にしてください。

改修内容費用相場
天井断熱(グラスウール・吹込みセルロースなど)20~60万円
壁断熱(内断熱:グラスウール、外断熱:硬質ウレタンなど)50~150万円 
床下断熱(内断熱:グラスウール、外断熱:硬質ウレタンなど)30~90万円 

年数が経って古い住宅では、既存の断熱材が無いか劣化していることが多いため、断熱材の新設や入れ替えに加え、気流止めや気密処理、構造補強との同時施工が必要になるケースもあります。

そのような場合は費用が高騰し、300万円を超えることもあるので注意しましょう。

使用する断熱材の性能(熱伝導率λ値や厚み)や、断熱等級(断熱等性能等級5~7相当)を満たすかどうかでも価格は変動します。

住宅性能を高めたい場合には、長期優良住宅リフォームや断熱改修補助金の活用も検討しましょう。

給排水やガス工事の費用相場

戸建て住宅のフルリノベーションにおける給排水・ガス工事の費用相場は、住宅の規模や配管の距離・経路、既存設備の状態により異なりますが、おおむね50~150万円程度が一般的です。

下記に給排水・ガス工事の費用相場を表記するので参考にしてください。

工事内容費用相場
給水・給湯・排水配管の更新(屋内・床下)30~80万円
ガス配管工事(コンロ・給湯器・暖房機器など)10~40万円 
屋外の引き込み・桝交換・経路変更が必要な場合10~30万円程度の追加 

築年数が古く、鉄管・鉛管など旧規格配管の撤去やルート変更が必要な場合や、浴室やキッチン、トイレの位置を大きく変更する場合の価格は上限寄り、もしくはそれ以上の費用になることもあります。

都市ガスからプロパンガスへの変更、井戸水や浄化槽などの特殊設備が絡む場合は別途対応費が必要です。

給排水設備は建物の寿命や快適性に直結するため、フルリノベーション時にまとめて更新しましょう。

電気・照明・配線工事の費用相場

戸建て住宅のフルリノベーションにおける電気・照明・配線工事の費用相場は、住宅の規模や配線の量、照明器具のグレードによって異なりますが、おおよそ50~150万円程度が一般的です。

工事内訳としては以下のような内容が含まれます

・既存電気配線の撤去・新設(分電盤からの幹線含む)
・コンセント・スイッチの増設や位置変更
・照明器具(ダウンライト、間接照明など)(の設置
・インターホン・TV・LAN・防犯設備の配線
・電気容量(アンペア)変更や分電盤の交換
・アース工事や漏電ブレーカー等の安全対策

住宅が古く、配線の全更新が必要な場合や回路数が多いプランでは価格が上限寄りになります。

オール電化やEVコンセントの導入、照明の演出性を高めた計画(調光器・スマート照明など)を組み込むとさらに費用が上がる一方、既存ルートの流用や最低限の更新にとどめれば、50万円未満で収まるケースも多いです。

照明器具本体の費用は別途とされることが多いため、デザイン性の高い器具や間接照明などを選ぶと追加で数十万円加算されることがあります。

キッチン交換の費用相場

戸建て住宅のフルリノベーションにおけるキッチン交換の費用相場は、選ぶグレードやレイアウト、工事内容によって異なりますが、約80〜250万円程度が一般的です。

キッチン交換の工事内容や費用を下記に表記します。

工事内容費用相場
シンプルなシステムキッチン(I型・壁付け・既存位置)80~120万円 
中級グレード(引き出し収納・食洗機・人大天板など)120~180万円
高級グレード(アイランド型・セラミック天板・造作カウンター等)180~250万円以上 

加えて、キッチンの移設を伴う場合は配管・配線工事や床補修費として10~30万円以上の追加費用が発生することがあります。

オーダーキッチンや家具との一体化など特注仕様にすると、300万円以上になるケースもあるので事前に価格を確認しましょう。

換気扇(レンジフード)やIH・ガスコンロ、食洗機や水栓金具、バックセット収納などの選定によって価格が大きく左右されるため、どこまでの機能やデザイン性を求めるかが予算決定の鍵となります。

キッチンの交換工事を行う際には、キッチン収納を最大化させるためのアイデアを記載した下記の記事を参考にしてください。

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バスルーム交換の費用相場

戸建て住宅のフルリノベーションにおけるバスルーム(浴室)交換の費用相場は、約80~200万円程度が一般的です。

ユニットバスのグレードや施工内容、在来浴室からの変更有無によって費用が変動します。

以下にバスルーム交換の種類別価格を表記するので参考にしてください。

バスルームの種類費用相場
標準的なユニットバス(1216サイズ・基本仕様)80~120万円 
中〜高グレード(断熱浴槽・自動湯はり・換気乾燥暖房機付きなど)120~160万円 
ハイグレード(人工大理石浴槽・広めサイズ・ジェットバス等)120~160万円 

さらに以下のような条件によって追加費用が発生します。

・在来浴室(タイル張り)からユニットバスへの変更:床・壁の解体・下地補修が必要で、10~30万円程度が加算
・浴室の位置移動・サイズ変更:配管延長や基礎補強等で10~40万円程度加算

断熱性能向上やバリアフリー化(手すり・段差解消):数万円〜要加算

給湯器の交換(追い焚き対応)や窓の断熱改修なども同時に行うケースが多く、全体での費用感は120~250万円程度になる場合もあります。

省エネ・断熱改修を伴う場合は、国や自治体の補助金制度の活用も検討しましょう。

トイレ交換の費用相場

戸建て住宅のフルリノベーションにおけるトイレ交換の費用相場は、1カ所あたり20~60万円程度が一般的です。

便器のグレードや内装工事、配管の更新有無によって費用が大きく左右されます。

下記にトイレ交換の種類別価格を表記するので参考にしてください。

トイレの種類費用相場
シンプルな組み合わせ便器と内装(壁・床・天井)張り替え20~30万円
タンクレス・温水洗浄便座・自動開閉などの機能付き高機能トイレ30~50万円 
収納・手洗いカウンター・間接照明などを含むデザイン性の高いトイレ空間50~60万円以上

トイレの位置を変更する場合は排水勾配の確保や配管の延長が必要になり、追加で10~30万円程度かかることもあります。

1階と2階にそれぞれ設置する場合や、トイレを増設するケースでは設備費だけでなく、内装や配管、換気工事などを含めた複数カ所合計で80~120万円以上になるので価格を確認しましょう。

節水型トイレや手すり、バリアフリー設計などは条件次第で補助金の対象になるので、コスト削減のための利用がおすすめです。

洗面所リフォームの費用相場

出典:デンヒチ公式

戸建てのフルリノベーションにおける洗面所リフォームの費用相場は、約20~60万円程度が一般的です。

洗面化粧台のグレードやサイズ、周辺の内装や設備工事の範囲によって価格が大きく変わります。

下記に洗面所リフォームの種類別価格を表記するので参考にしてください。

洗面台の種類費用相場
シンプルな洗面化粧台(幅600〜750mm)と内装仕上げ(壁紙・床)(壁紙・床)20~30万円 
中〜高グレード洗面台(三面鏡・引き出し収納・LED照明・曇り止めなど)と内装仕上げ30~45万円 
造作洗面台や収納付き洗面所(タイル・造作棚・間接照明など含む)45~60万円以上 

次のような条件が加わると追加費用が発生します

・洗濯機パンや水栓の交換・移動工事:数万円〜10万円程度追加
・洗面所の拡張や間取り変更を伴う場合:10〜30万円程度の追加
・床の補強、断熱工事、換気設備の強化など:数万〜十数万円の追加

造作でおしゃれな洗面スペースをつくる場合や収納・照明を充実させたい場合には、予算に余裕を持たせると理想の仕上がりが期待できます。

床・壁・天井の内装仕上げの費用相場

戸建て住宅のフルリノベーションにおける床・壁・天井の内装仕上げの費用相場は、住宅全体で約100~250万円程度が一般的で、使用する仕上げ材のグレードや施工面積によって費用は大きく変わります。

以下は内訳の目安です。

・床材(フローリング・クッションフロア・タイルなど):6,000~15,000円/㎡→ 80㎡の床面積なら約50~120万円
・壁(クロス張替え・塗り壁・エコカラット等):1,000~3,000円/㎡(クロス)、5,000円/㎡~(塗り壁)→ 約40~80万円程度
・天井仕上げ(クロス・羽目板など):20~50万円程度

例えば一般的な延床面積100㎡の戸建て住宅で、標準的なクロスと合板フローリング仕上げの場合は約120〜150万円前後が目安となります。

天然無垢材や珪藻土、デザイン性の高いタイルやアクセントクロスなどを使用する場合は200万円を超えることも多いです。

防音・調湿・断熱などの機能性仕上げ材を使うと、単価が上がる点にも注意しましょう。

建具・収納・造作家具の費用相場

戸建てのフルリノベーションでの建具・収納・造作家具の費用は、素材やデザイン、数量によって異なりますが、おおよそ50~200万円程度が相場です。

既製品の室内ドアやクローゼットを中心にした場合は費用を抑えられますが、オーダー家具や大型の造作収納を取り入れるとコストが高くなります。

外構工事(玄関アプローチ・塀・駐車場)の費用相場

戸建てのフルリノベーションに伴う外構工事の費用相場は、玄関アプローチや塀、駐車場の規模や素材、施工内容によって大きく異なりますが、一般的には約50~200万円程度が目安です。

シンプルなコンクリート打ちや砂利敷きの駐車場、塀の組み合わせであれば50~100万円前後ですが、タイル貼りや自然石、オーダーメイドの門扉やフェンス、カーポート設置などを加えると150万~200以上に高騰することもあります。

敷地条件や既存構造物の撤去が必要な場合は、さらに費用が高くなるので注意が必要です。

耐震補強工事の費用相場

戸建てのフルリノベーションで行う耐震補強工事の費用相場は、建物の構造や補強の範囲によって異なりますが、一般的には100~300万円程度が目安です。

軽微な補強であれば100万円前後で済むこともありますが、基礎の補強や壁の耐力壁追加、接合部の強化など大規模な工事が必要な場合は300万円を超えることも珍しくありません。

古い建物ほど補強が必要になる傾向があり、設計診断や耐震診断費用も別途かかる場合があります。

補助金制度を利用できるケースもあるため、リフォーム検討時には確認しましょう。

設計・デザイン・管理費の費用相場

戸建てのフルリノベーションにおける設計やデザイン、管理費の費用相場は、工事総額の約8%~15%程度が一般的です。

具体的に工事費用が1,000万円の場合、設計監理費として80~150万円ほどの費用がかかります。

設計やデザイン、管理費の費用にはプランニングや図面作成、仕様決定や現場管理、工程調整などが含まれ、依頼先や設計内容の複雑さによって価格が上下します。

デザイン性の高いプランや、詳細な監理が求められる場合は割合が高くなる傾向が高いです。

仮住まいや引っ越しの費用相場

戸建てのフルリノベーション時に必要な仮住まいや引っ越しの費用相場は、期間や地域、住まいの広さによって異なりますが、一般的には仮住まいの家賃が月額10~20万円程度、引っ越し費用は5万~15万円程度が目安となっています。

リノベーション期間が数カ月に及ぶ場合、仮住まいの家賃は総額で30~60万円以上かかることも多く、荷物の量や移動距離により引っ越し費用も変動します。

短期間の賃貸やシェアハウス利用で、費用を抑える方法もあるのでコスト削減のために検討しましょう。

諸経費の費用相場

戸建てのフルリノベーションを行う際の諸経費の費用相場は、工事費用の約5~10%程度が一般的です。

諸経費には建築確認申請や各種許可申請費用、設計監理費の一部や仮住まい費用、引っ越し費用や各種保険料、地盤調査費用や工事中の光熱費や清掃費用などが含まれます。

例えば工事費用が1,000万円の場合、諸経費は50~100万円程度を見込んでおくと安心です。

内容や地域や工事規模によって変動するため、詳細は見積もりで事前に確認しましょう。

マンションや戸建てのフルリノベーションならRESIAにおまかせ!

これまでに紹介したように、マンションや戸建てのリフォームは多岐にわたる工事が必要なうえにコストもかかるので、信頼と実績の工事業者である株式会社RESIAにおまかせください。

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フルリノベーションの失敗しない予算計画

フルリノベーションの失敗しない予算計画

マンションや戸建てのフルリノベーションを成功させるためには、計画的で失敗しない予算計画を立てなければいけません。

マンションや戸建ての失敗しない予算計画の立て方には、以下の8点が挙げられます。 

・総予算の上限を明確にする
・優先順位をつける
・複数の業者からの見積もりを比較する
・見積もりの内容を詳細まで確認する
・予算費(バッファ)を設ける
・設備や素材のグレードを検討する
・諸経費も予算に組み込む
・将来的なメンテナンス費用も考慮する

それぞれの項目を詳しく解説するので、無理のないリノベーションの予算を組んでください。

総予算の上限を明確にする

フルリノベーションにおける予算計画において、最初に明確にすべきは総予算の上限です。

自己資金や住宅ローン借入可能額などを総合的に考慮し、無理のない範囲で設定しましょう。

上限額を定めることで、設計や材料選びの段階で選択肢を絞りやすくなり、予算オーバーを防ぐための重要な指針も設定できます。

優先順位をつける

総予算の上限が明確になったら、次にリノベーションにおける優先順位付けをしましょう。

理想の住まいには多岐にわたる要素がありますが、予算には限りがあります。

そこで家族のライフスタイルや価値観を考慮し、譲れない点やできれば実現したい点、予算に余裕があれば取り入れたい点などを明確にリストアップし、優先度の高い順番でリノベーションに取り組みましょう。

複数の業者からの見積もりを比較する

フルリノベーションの予算計画において、複数の業者から見積もりを取得し比較検討するのも重要なポイントです。

複数業者の提案内容や費用を比較して適正な価格帯を把握することにより、不当な提案をする悪徳業者を回避できます。

各社の得意分野や提案力、担当者の対応などを比較検討することで、信頼できるパートナーを選ぶ判断材料にもなります。

見積もりの内容を詳細まで確認する

複数の見積もりを比較する際には金額の大小を見るだけでなく、その内訳を詳細に確認するのも重要です。

工事項目や使用する材料の種類とグレード、数量や単価、施工費や諸経費などが明確に記載されているかを確認しましょう。

不明な点や曖昧な項目があれば必ず業者に質問し、納得のいく説明を受けることが重要です。

詳細な見積もりを確認することで、不必要な費用や後々の追加費用発生のリスクを減らし、予算超過を防ぐことができます。

予算費(バッファ)を設ける

フルリノベーションの予算計画において、予期せぬ事態に備えて予算費(バッファ)を設けましょう。

工事中に構造上の問題の発覚や追加工事など、当初の予定外の要望が出てくる可能性も考慮しなければいけません。

総予算の10%~20%程度を目安にバッファを設けておくことで、これらの不測の事態にも柔軟に対応でき、資金繰りの悪化や計画の頓挫を防ぐことができます。

設備や素材のグレードを検討する

フルリノベーションの予算計画において、設備や素材のグレードの検討は費用を左右する重要な要素です。

最新の高機能設備や高品質な自然素材は魅力的ですが、総予算とのバランスを考慮しなければいけないので、カタログやショールームで実際に製品を確認し、機能性やデザイン性、耐久性や価格を比較検討しましょう。

諸経費も予算に組み込む

フルリノベーションの予算計画では工事費だけでなく、見落としがちな諸経費も忘れずに組み込むことが重要です。

諸経費には設計料や申請費用(建築確認申請など)、仮住まいの費用や引越し費用、家具や家電の購入費用、保険料などが挙げられます。

これらの費用は総予算の10%~20%程度を占めることもあり、事前に考慮しなければ予算オーバーの原因となるので注意が必要です。

将来的なメンテナンス費用も考慮する

フルリノベーションの予算計画では工事費用だけでなく、将来的なメンテナンス費用も考慮しておくことが大切です。

安価な素材や設備を選ぶと初期費用は抑えられますが、故障や劣化が早く、結果的に修繕費がかさむ可能性があります。

長期的な視点で耐久性の高い素材や保証のある設備を選ぶことにより、将来の出費を抑えて住まいの価値や快適性を維持しやすくなります。

フルリノベーションは信頼できる工事業者に依頼しよう

本記事で紹介したように、マンションや戸建てのフルリノベーションは多岐にわたる工事が必要で、理想のフルリノベーションを行うためには相応の金額が必要です。

そこでコストを抑えて理想的なリノベーションに成功するためにも、地域密着型で相談からアフターフォローまで一貫したサービスを提供している信頼の工事業者、株式会社RESIAの利用をご検討ください。

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