バリアフリーリフォームとは?介護保険の補助金のポイントと工事内容、費用相場も紹介

バリアフリーリフォームとは?介護保険の補助金のポイントと工事内容、費用相場も紹介

厚生労働省が発行している「我が国の人口について」によると、2025年に団塊の世代がすべて75歳となり、75歳以上の人口が全人口の約18%になると明記されています。

さらに2040年には65歳以上の人口が、全人口の約35%に達するという推計も示されているのが現状です。

 このような社会情勢に伴い、高齢者に快適な住環境を提供するための住宅のバリアフリー化が推進されています。

本記事では住宅のバリアフリー化の有効な手段である、バリアフリーリフォームを詳しく解説し、介護保険の補助金のポイントや工事内容、費用相場も紹介します。

 今後住宅のバリアフリー化を進めたい方に、有効な情報が満載ですので参考にしてください。

参考文献:厚生労働省「我が国の人口について

目次

バリアフリーリフォームとは?

バリアフリーリフォームとは、高齢者や障害のある方が住みやすい環境を実現するために住宅内の段差を解消したり、手すりやスロープを設置するなど、生活上の障壁を取り除くためのリフォームです。

玄関やトイレ、浴室など利用頻度の高い場所を中心に広い通路や扉、車いすでも使いやすい設備を整えることで転倒や事故のリスクを軽減し、安心して日常生活を送れるようにサポートします。

工事内容や費用は必要な範囲や予算に応じて柔軟に設定でき、家族全員がストレスなく快適に暮らせる住まいづくりを目指します。

バリアフリーリフォームの介護保険の補助金のポイント

バリアフリーリフォームは、高齢者に快適な住環境を提供するためのリフォームで、介護保険の補助金を受給できます。

バリアフリーリフォームによる、介護保険の補助金を受給する際のポイントは以下の7点です。

・要介護・要支援認定が必須
・改修内容が限定されている
・支給額に上限がある
・事前申請が必要
・同一住宅で複数の利用も可能
・償還払いが可能
・転居時も再利用できる

補助金の受給に必要なポイントを押さえ、コストを抑えたバリアフリーリフォームを成功させましょう。

要介護・要支援認定が必須

バリアフリーリフォームの介護保険による補助金を利用する際の最大のポイントは、利用者が「要支援」または「要介護」の認定を受けていることが必須である点です。

要支援や要介護の認定を受けていない場合、たとえ高齢で将来的に介護が必要になると予想される場合でも、介護保険の住宅改修費補助金の対象にはなりません。

補助金申請の対象となるのは、要支援や要介護の認定を受けた人の被保険者証に記載された住所の住宅で、実際にその家に住んでいることが条件です。

施設や病院に入院・入所中の場合は原則として対象外となりますが、自宅で暮らす見込みがある場合には例外的に認められることもあります。

改修内容が限定されている

バリアフリーリフォームの介護保険による補助金は、手すりの設置や段差の解消、床材の変更や扉の取替え、便器の交換など転倒防止や移動のしやすさを目的とした特定の工事に限定されています。

廊下やトイレ、浴室への手すりの設置や、車いすの利用を想定した開き戸の引き戸への変更、和式便器から洋式便器に交換する工事などが該当します。

上記の工事以外の新築や増築、壁紙の張り替えや屋根のふき替え、外壁塗装などは補助金の対象外となるため、工事内容を事前に確認しましょう。

支給額に上限がある

バリアフリーリフォームの介護保険による補助金は、支給額に明確な上限が設けられているのもポイントの1つです。

具体的に工事費用の基準額20万円の9割、つまり最大18万円までが補助金として支給されます。

補助金の支給に関しては手すりの設置や段差解消、床材変更や扉の交換、便器の交換など、バリアフリー化に必要な工事内容ごとに個別に上限があるわけではなく、1人あたり生涯の限度額内であれば複数回の申請も可能です。

一方で所得によって自己負担割合が異なる場合もあり、実際に受け取れる金額は状況によって変動します。

限度額以内であれば、必要な改修ごとに申請できるので事前に確認しましょう。

事前申請が必要

バリアフリーリフォームの介護保険による補助金を利用する際には、工事を始める前に必ず市区町村へ事前申請を行わなければいけません。

申請には「住宅改修費支給申請書」「住宅改修が必要な理由書」「工事費見積書」「完成予定の状態が分かるもの」などの所定の書類を提出し、自治体の審査と許可を得ることが義務付けられています。

工事の着工前に申請を行わない場合、たとえバリアフリー化に該当する工事であっても補助金の支給対象外となるため、必ず手続きを進めてから工事を始めましょう。

工事完了後にも再度申請書類を提出し、実際の工事内容や領収書などで支給要件を満たしているか確認を受ける必要があります。

同一住宅で複数の利用も可能

バリアフリーリフォームの介護保険による補助金は、原則として利用者一人につき1回限りとなっていますが、同一住宅に複数の要支援・要介護認定者がいる場合には、それぞれの申請が認められる点が特徴です。

夫婦や親子など複数の家族が同じ家に住んでいて、それぞれが認定を受けていれば、それぞれが上限20万円まで補助金を利用できます。

複数人で利用する場合、各人の工事内容が重複しない範囲での申請が可能で、家族みんなが安全に暮らせる環境を整えるためのリフォームを順次進めることも可能です。

このような制度により、高齢化や介護が必要な家族が集まる世帯でも、バリアフリー化を柔軟に進められるのが大きなメリットといえます。

償還払いが可能

バリアフリーリフォームの介護保険による補助金は、原則として「償還払い」方式が採用されており、利用者は工事費用を全額工事業者に支払った後で、介護保険の給付分を自治体から後日受け取る仕組みとなっています。

そのため一時的に全額の自己負担が必要ですが、工事完了後に領収書や申請書類を提出することで、自己負担割合に応じた補助金の受給が可能です。

自治体によっては「受領委任払い」制度も利用可能で、自己負担分のみを業者に支払い、残りは自治体から直接業者に支払われるケースもありますが、基本的に償還払いが一般的です。

参考文献:介護保険における住宅改修

転居時も再利用できる

バリアフリーリフォームの介護保険による補助金は、原則として利用者一人につき一定額までが支給されますが、転居した場合には再び補助金を利用できる点もポイントの1つです。

以前の住居で補助金を使った後でも新たな住居に移動し、そこで再度バリアフリー改修が必要になった場合には、新たな申請が認められる仕組みとなっています。

ただしこの制度の利用においては、事前に自治体への申請手続きが必要で、新しい住居での在宅生活が前提となります。

転居による再申請は介護度が大きく変わらない場合でも認められるため、ライフスタイルの変化や住環境の移動に対しての柔軟な対応が可能です。

参考文献:介護保険における住宅改修

バリアフリーリフォームの工事内容

バリアフリーリフォームの工事内容

バリアフリーリフォームの主な工事内容として、以下の7点が挙げられます。

・手すりの設置
・段差の解消
・床材の変更
・扉の交換
・トイレのバリアフリー化
・浴室のバリアフリー化
・通路幅の拡張

各工事の内容を把握し、最適なバリアフリーリフォームを手掛けましょう。

手すりの設置

出典:コメリ公式

バリアフリーリフォームにおける手すりの設置は、主に転倒予防や移動・移乗動作の支援を目的として行われ、トイレや浴室、廊下や玄関など生活動線上で特に利用頻度が高い場所に施工されます。

設置の際には、利用者の身長や動作に合わせて最適な高さと太さや材質を選び、しっかりと握りやすい形状の手すりを取り付けましょう。

このような工事により、高齢者や障害のある方が安心して移動できるようになり、日常生活の安全性や自立性が大きく向上します。

工事は簡易なネジ止めから壁の補強を伴うものまで幅があり、設置場所や状況に応じて最適な方法の選択が可能です。

段差の解消

バリアフリーリフォームにおける段差の解消は、住宅内の玄関や廊下、部屋の出入口や浴室などに存在する小さな段差を取り除き、車いすや歩行器、杖を使用する方でも安全かつスムーズに移動できる環境を整えるための工事です。

段差の解消の工事として、リビングや寝室と廊下の間の敷居を緩やかなスロープに変更したり、浴室の出入り口の段差を下げて滑りにくい床材に交換したりする方法が一般的です。

このような工夫により、転倒や事故のリスクを大幅に減らすことができ、介護者の負担軽減にもつながります。

工事内容は住まいの構造や利用者の状況によって異なりますが、日常生活の安全性と利便性を高めることが可能です。

床材の変更

バリアフリーリフォームにおける床材の変更は、住まいの中での転倒リスクを減らし、安全性を高める重要な工事です。

特に滑りやすいフローリングや冷たいタイルから、滑りにくい素材(例:コルク、クッションフロア、滑り止め加工されたシートなど)や、衝撃を吸収しやすい素材への変更が推奨されます。

加えて車いすの移動を考慮して摩擦が少なく、スムーズに走行できるような材質を選ぶことも大切です。

このような工夫により安心して移動できるだけでなく、万が一転倒した場合の衝撃を和らげ、怪我のリスクを軽減する効果も期待できます。

扉の交換

出典:堀内建材公式

バリアフリーリフォームにおける扉の交換は、従来の開き戸や狭い開口部の扉を車いすや歩行器、介助者との移動がしやすい幅広な引き戸や自動ドアなどに変更する工事です。

このような工事により車いす利用者や高齢者、介助を必要とする方がスムーズに部屋や廊下、トイレや浴室などを往来できるようになります。

特に浴室やトイレでは、扉を外に開くタイプや折り戸、引き戸に交換することで、緊急時にもすぐに扉を開けられる安全性も確保されます。

リフォーム工事により扉の幅を広げることで移動の自由度が高まり、日常生活の利便性や安心感を高めることも可能です。

トイレのバリアフリー化

バリアフリーリフォームにおけるトイレのバリアフリー化は、高齢者や障害のある方が安全かつ快適に利用できるよう、手すりやアームレストの設置、滑りにくい床材への張り替えや出入口やトイレ内部の段差解消、引き戸への扉交換などを行います。

和式便器から洋式便器への変更や、昇降機能付き便座の導入や多機能トイレへの交換も有効です。

介助が必要な場合にはスペースの拡張も検討されるなど、多岐にわたる工夫により転倒や事故のリスクを減らし、自立した日常生活をサポートします。

下記にトイレのバリアフリー化の参考になる、トイレリフォームの最新トレンドや相場を紹介した記事を掲載するので参考にしてください。

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浴室のバリアフリー化

出典:アルファテック公式チャンネル

浴室のバリアフリー化は、高齢者や障害のある方が安全かつ快適に入浴できるよう、さまざまな工夫を施す工事です。

主な内容として浴槽や洗い場への手すり設置、出入口や浴槽周辺の段差解消、床材を滑りにくい素材に交換する工事などが挙げられます。

車いすや介助者も浴室に入りやすくするための扉を引き戸や折り戸への変更や、浴槽自体を浅くして昇降しやすい形状に交換するリフォーム工事も多いです。

浴室暖房機や断熱窓を設置し、非常用の発信機を取り付けてヒートショック対策をすることにより、安心して利用できる空間となります。

通路幅の拡張

通路幅の拡張は、介助用の車いすで容易に移動できるようにするため、住宅内の廊下や出入口の幅を広げる工事を指します。

壁や柱、ドアや床材などの撤去や取替えを行い、工事後の通路や出入口の幅がおおむね750mm以上(浴室の出入口は600mm以上)となるよう設計されるのが一般的です。

このような工夫により、車いす利用者や介護者もスムーズに移動できるようになり、日常生活の利便性や安全性が大きく向上します。

工事には幅木の設置や柱の面取り、断熱材入りの壁への取替えなども一体工事として含まれるケースも多いです。

参考文献:国土交通省「子育てエコホーム支援事業

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バリアフリーリフォームの費用相場

バリアフリーリフォームの費用相場

バリアフリーリフォームでは、工事内容によって費用相場が異なります。

ここからは各工事の費用相場を紹介するので、バリアフリーリフォームの際の参考にしてください。

手すりの設置の費用相場

バリアフリーリフォームにおける手すりの設置費用は、取り付ける場所や素材、長さによって異なりますが、一般的な相場としてはトイレや浴室で1本あたり約3~5万円、廊下や階段は長さや形状によって5~10万円程度が目安です。

玄関など比較的短い手すりの場合は1~4万円程度で済むケースもありますが、下地補強や廃材処分が必要な場合は追加費用が発生します。

段差の解消の費用相場

バリアフリーリフォームにおける段差の解消にかかる費用は、工事の内容や場所によって大きく変動しますが、一般的には1箇所あたり2,000円から45万円程度と幅広い相場になります。

小さな段差に簡易的なスロープを設置する程度であれば数千円から、敷居の撤去や床のかさ上げやかさ下げで床をフラットにする場合は、数万円から数十万円かかるケースも多いです。

特に玄関アプローチや浴室、トイレなどの水回りの段差解消は、配管の移設なども伴うため費用が高くなる傾向にあります。

工事の規模や選択する素材、現状の構造によって費用は大きく変わるため、複数の業者から見積もりを取って比較しましょう。

床材の変更の費用相場

バリアフリーリフォームにおける床材の変更費用は、選ぶ素材や施工範囲、既存の床の状態によって大きく異なり、一般的に1部屋あたり数万円から20万円程度が相場とされています。

滑りにくいクッションフロアやフロアタイルへの変更であれば比較的費用を抑えられますが、コルクタイルや衝撃吸収性に優れた機能性フローリングなど、素材にこだわる場合は費用が高くなります。

既存の床を撤去して張り替える場合は、重ね張りよりも費用がかかるうえに、浴室や洗面所など水回りの床材変更は防水工事も伴うため、さらに費用が増すケースも多いです。

扉の交換の費用相場

バリアフリーリフォームにおける扉の交換の費用相場は、設置場所やドアの種類、ドア枠の有無によって大きく異なります。

一般的な室内ドアや浴室ドアを引き戸や折れ戸に交換する場合、ドア本体のみの交換であれば約4~10万円程度が目安で、ドア枠や周辺の壁のリフォームも含めると10~20万円以上になるケースも多いです。

玄関ドアのように大きなサイズや特殊な仕様の場合は、20~40万円程度かかる場合もあり、バリアフリー仕様の引き戸や自動ドアへの変更はさらに費用が増す傾向があります。

工事内容や現地調査によっても変動するため、事前の見積もりが重要です。

トイレのバリアフリー化の費用相場

バリアフリーリフォームにおけるトイレのバリアフリー化の費用相場は、工事内容や規模によって大きく異なりますが、一般的には手すり設置や段差解消、床材の張り替えなど小規模なリフォームで1~20万円程度、トイレ本体の交換や和式から洋式への変更、引き戸への扉交換など中規模なリフォームでは20~50万円程度が目安です。

さらにスペース拡張や昇降便座の設置、手洗いコーナーの新設など大規模な工事の場合は50万円以上かかる場合もあります。

介護保険や自治体の補助金を活用することで、自己負担額を抑えることも可能です。

浴室のバリアフリー化の費用相場

バリアフリーリフォームにおける浴室のバリアフリー化の費用相場は、工事内容や規模によって幅があります。

手すり設置や呼び出しボタンの取り付けなど最小限のリフォームであれば1~5万円程度で済みますが、滑りにくい床材への変更や段差解消、浴室暖房機の設置などを含めると10~30万円程度の費用が一般的です。

ユニットバス全体の交換や在来浴室からユニットバスへの全面リフォーム、バスリフトの設置など大規模な工事の場合は、70~250万円程度かかることもあり、特にバスリフトや断熱窓、引き戸への扉交換などを含むとさらに高額になる可能性も高いです。

通路幅の拡張の費用相場

バリアフリーリフォームにおける浴室のバリアフリー化の通路幅拡張の費用相場は、浴室出入口や洗面脱衣所の幅を広げる工事が対象となり、標準的な浴室出入口の幅拡張工事では約19万円前後が目安となる場合もあります。

一方で実際の費用は既存の構造や拡張幅、壁やドアの交換の有無によって大きく異なり、浴室スペースの拡張や間取り変更を伴う場合は50~100万円、場合によっては250万円以上になるケースも多いです。

単純な出入口幅拡張に留まらず、周辺の壁や床の補強、ドアの交換なども含まれるため工事内容によってはさらに費用が増加します。

コストを抑えたバリアフリーリフォームを成功させよう

近年急速的に進行している高齢化の動向に伴い、今後もバリアフリーリフォームの需要が高まることが予測されます。

今後バリアフリーリフォームを検討している方は、本記事を参考にコストを抑えた高品質なバリアフリーリフォームを成功させてください。

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