【神奈川県版】リフォーム時の防蟻・シロアリ対策 ~気づいたときには手遅れにならないために~

神奈川県でリフォーム時に行う防蟻・シロアリ対策と、住宅をシロアリ被害から守る重要性を解説

はじめに

「まさか自分の家がシロアリに……」と思われる方も多いかもしれません。しかしシロアリの被害は、見えないところでひそかに進行しているのが特徴です。外見では気づかないまま、柱や土台が内部から食い荒らされているケースは珍しくありません。

国土交通省補助事業として実施された「シロアリ被害実態調査報告書」(2013年)によると、防蟻処理の保証期間が切れて10年後には約20%の住宅がシロアリ被害を受けているというデータがあります。また全国では年間200万件以上のシロアリ被害が報告されており、その被害総額は年間3,800億円超に達するとされています。

土台の木材内部にシロアリの食害跡が確認できる様子

外壁をはじめとするリフォームは、床下・壁内部・浴室周りなど普段は目の届かない部位を確認できる絶好の機会です。この記事では、外壁リフォーム時に行うべき防蟻・シロアリ対策について、法律上の根拠・工法の種類・費用相場・業者の選び方まで詳しく解説します。

1. シロアリ被害の実態とリスク

被害は築年数とともに急増する

公益社団法人日本しろあり対策協会および国土交通省のデータによると、シロアリ被害の発生率は築年数が上がるにつれて顕著に増加します。

左右にスクロールして全項目をご確認ください
築年数シロアリ被害発生率の目安
築5年以内低い(新築時の防蟻処理が有効な期間)
築10〜15年リスクが急増(防蟻処理の効果切れと重なる)
築20年以上20%以上の住宅で被害発生の報告あり
築30年以上さらに高いリスク(未処理の場合は特に注意)

特に防蟻処理の保証期間(5年)が切れた後、再処理をしないまま経年した住宅は被害発生率が急上昇するというデータがあります。リフォームのタイミングで必ず床下の状態を確認することをおすすめします。

参考:防蟻処理の保証期間切れ後の被害データ(出典ページはこちら

シロアリ被害が怖い理由:耐震性への直撃

シロアリは木材の内部から食べ進むため、外見に変化が出にくいのが最大の特徴です。一見問題がなさそうに見えても、内部では柱・土台・筋かいといった構造材が著しく弱っているケースがあります。

阪神淡路大震災をはじめとした多くの震災では、シロアリ被害を受けた住宅の倒壊率が高かったことが報告されています。シロアリ対策は「快適さ」の問題だけでなく、地震時の命を守る対策でもあります。

神奈川県に生息するシロアリの種類

神奈川県は、国内で最も被害が多いヤマトシロアリと、より被害が深刻なイエシロアリの両方が生息する特殊な地域です。

ヤマトシロアリ

1

日本全国に分布する最も一般的な種

2

4〜5月の日中に黒い羽アリが大量発生するのが目印

3

湿った木材を好む。床下・浴室周り・玄関土台に多い

4

全シロアリ被害の約92%を占める

イエシロアリ

1

神奈川県以西の温暖な海岸線沿いが分布の北限

2

6〜7月の夕方〜夜に茶褐色の羽アリが灯火に集まる

3

横浜市から三浦半島・湘南エリアで被害報告が多い

4

ヤマトシロアリの約10倍の巨大コロニーを形成し被害が甚大

5

世界の侵略的外来種ワースト100に選定されるほど危険な種

神奈川県の注意点:湘南・三浦・横浜南部の沿岸部ではイエシロアリの被害が報告されており、ヤマトシロアリより大規模な被害になりやすいため、より徹底した対策が必要です。

2. 防蟻処理の法律上の根拠

建築基準法による義務

シロアリ対策は任意ではなく、新築時では法律で定められています。建築基準法施行令第49条第2項には以下のとおり規定されています。

「構造耐力上主要な部分である柱、筋かい及び土台のうち、地面から一メートル以内の部分には、有効な防腐措置を講ずるとともに、必要に応じて、しろありその他の虫による害を防ぐための措置を講じなければならない。」

つまり木造住宅の新築時には、地面から1m以内の構造材(土台・柱・筋かい)への防腐・防蟻処理が法的に義務づけられています。リフォームでは新築時の義務規定の対象外ではありますが、既存住宅の長寿命化の観点から、リフォーム時に防蟻処理を行うことが強く推奨されています。

薬剤の有効期間と再施工のサイクル

公益社団法人日本しろあり対策協会が認定する防蟻薬剤の有効期間は5年間です。これは長期間有効な薬剤は環境に悪影響を与えるとの考えに基づいており、薬剤の有効期間が切れたあとはシロアリが侵入するリスクが高まるため、5年ごとの再処理が業界標準とされています。

一方、市販の殺虫剤(ピレスロイド系など)の有効期間は6か月〜1年程度と短く、専門業者が使用する薬剤とは効果に大きな差があります。

3. 防蟻工法の種類と特徴

公益社団法人日本しろあり対策協会が発行する「防除施工標準仕様書」に定められた主な工法は以下のとおりです。

バリア工法(薬剤散布)

最も普及している工法で、全施工の約90%を占めます。

専門業者が床下に入り、土壌と木部全体に薬剤を散布してシロアリが建物に侵入できないバリア(障壁)を作ります。

左右にスクロールして全項目をご確認ください
項目内容
効果即効性あり。現在いるシロアリも駆除できる
有効期間約5年(再処理が必要)
費用目安1㎡あたり約1,500〜2,000円(30坪で約15〜20万円)
保証期間一般的に5年間
向いている場合予算を抑えたい・すでに被害がある・即効性を求める

ベイト工法

住宅の外周に専用容器(ステーション)を埋設し、シロアリが好むベイト剤(毒エサ)を持ち帰らせてコロニーごと駆除する工法です。

左右にスクロールして全項目をご確認ください
項目内容
効果コロニーを根絶できる。薬剤使用量が少ない
有効期間定期的な点検・補充が必要(半年〜1年ごと)
費用目安初期費用10〜20万円+年間管理費2〜5万円
保証期間管理継続中
向いている場合薬剤を最小限にしたい・小さな子どもやペットがいる

ホウ酸処理

ホウ酸(鉱物由来の無機成分)を木材に塗布または注入する工法です。

左右にスクロールして全項目をご確認ください
項目内容
効果揮発しないため長期間有効。人体・ペットへの安全性が高い
有効期間半永久的(ただし水に溶け出しやすく、床下浸水には注意)
費用目安バリア工法と同程度〜やや高め
注意点日本しろあり対策協会の認定薬剤でない場合がある
向いている場合リフォームで木材が露出しているとき・自然素材にこだわる

基礎塗布型防蟻材(基礎コンクリートへの塗布)

床下の木材や土壌への薬剤散布に加えて、近年注目されているのが基礎コンクリートの外側に直接塗布する防蟻塗材です。シロアリは地中から蟻道を伸ばして基礎の立ち上がり部分を経由して侵入するため、基礎の外面・内面に防蟻性能を持つ塗材を塗布することで、侵入経路そのものを物理的に遮断するという発想の工法です。

リフォーム時に外壁や基礎周りの工事を行う場合は、この基礎塗布型防蟻材との組み合わせが特に有効です。

主な製品

① ロイヤルアリガード(菊水化学工業)

住宅基礎専用の長期持続型防蟻塗材で、基礎コンクリートの美観保護と防蟻対策を同時に実現します。

左右にスクロールして全項目をご確認ください
項目内容
主成分ポリマーセメント系
形状ゆず肌状(ローラー施工)
特長微弾性でひび割れに追従・防藻防かび性・透湿性・F☆☆☆☆(最高安全等級)
用途住宅基礎コンクリートの外面・シロアリ侵入防止
施工方法はけ塗り・ローラー塗り(下塗り・上塗り不要の1工程)
設計価格61,400円/28kgセット(28〜40㎡施工可)

一般の散布型防蟻剤は雨水で流出しやすいのに対し、塗膜に防蟻成分が固定されているため流出の心配がなく長期間効果を維持できる点が最大の特徴です。

② CTバリヤー(竹屋化学研究所)

弾性ポリマーセメントモルタルに防蟻性能を加えたモルタルと、水系弾性アクリルシリコン塗料を組み合わせた2層構造の住宅基礎保護材です。

左右にスクロールして全項目をご確認ください
項目内容
主成分弾性ポリマーセメントモルタル+水系弾性アクリルシリコン
特長クラック追従性・中性化抑制・白華防止・高耐候性・シロアリ保証付き
防蟻の仕組み施工箇所にシロアリが蟻道や貫通穴を作れなくする物理的バリア
用途基礎コンクリート外面保護・外貼り基礎断熱工法の化粧材として

基礎コンクリートの中性化抑制(劣化防止)と防蟻対策を同時に行える点が特徴で、リフォームで基礎周りを整備するタイミングに最適な製品です。

基礎塗布型防蟻材の施工手順(概要)

1

下地清掃:基礎表面の白華・汚れ・油脂分をワイヤーブラシや高圧洗浄で除去し、乾燥した清浄面にする

2

クラック補修:基礎にひび割れがある場合はUカットシール等で事前に補修する

3

土の除去:基礎巾木が地面に接している場合は地面を掘り下げ、基礎立ち上がり面を全て露出させる

4

塗材の塗布:防蟻塗材をはけまたはローラーで均一に塗布(製品によって1〜2回塗り)

5

乾燥・養生:十分に乾燥させる

ポイント:基礎塗布型防蟻材はあくまで「基礎を経由した侵入」を防ぐものです。床下土壌への薬剤処理や木部処理と組み合わせることで、より総合的な防蟻効果が得られます。単独では完全な対策にはならないため、専門業者と相談のうえ、バリア工法・ベイト工法との組み合わせを検討してください。

工法の比較まとめ

左右にスクロールして全項目をご確認ください
項目バリア工法ベイト工法ホウ酸処理基礎塗布型防蟻材
即効性△(時間がかかる)△(予防用途)
安全性
費用低〜中中〜高(管理費あり)
再施工5年ごと定期管理継続ほぼ不要塗膜の状態による
対象部位床下土壌・木部建物外周地中木部基礎コンクリート外面
イエシロアリ対応○(侵入経路遮断)
基礎保護も兼ねる

4. リフォーム時が防蟻処理の絶好のタイミングである理由

リフォームは防蟻・シロアリ対策を行う最良のタイミングです。その理由は次の4点です。

1

床下・壁内部を直接確認できる
通常は見えない床下・壁内部が開放された状態になるため、シロアリの蟻道・食害の痕跡・木材の腐食を直接目視で確認できます。被害の早期発見につながります。

2

木材が露出した状態で薬剤処理できる
壁を解体した際に露出した木材に直接薬剤を塗布できるため、通常の床下処理に加えて壁内の木材にも処理を施すことができます。特にホウ酸処理はこのタイミングが最適です。

3

被害のある木材を同時に交換できる
シロアリ被害や腐朽が発見された場合、リフォーム工事と同時に木材の補修・交換を行えるため、工程と費用の両面で効率的です。

4

新しい工事部分を守れる
リフォームで新設・補強した木材に対して防蟻処理を施しておくことで、将来的なシロアリ被害のリスクを大幅に低減できます。

5. リフォーム時の防蟻処理 チェックリスト

リフォームに際して、以下の項目を確認・依頼しましょう。

基礎コンクリートの立ち上がり部分にシロアリの蟻道が確認できる様子

床下の確認事項

1

シロアリの蟻道(土で作ったトンネル状の通路)の有無

2

木材の腐朽・変色・軟化の有無

3

床下の湿気・水たまりの有無(換気口の詰まりなど)

4

基礎のひび割れ・欠損の有無(シロアリの侵入経路になる)

5

前回の防蟻処理からの経過年数

特に注意が必要な部位

左右にスクロールして全項目をご確認ください
部位理由
浴室・洗面所周り常時湿気が高くシロアリが好む。タイル下・防水層下が被害の温床になりやすい
玄関土台・框(かまち)土と木材が近接し侵入されやすい。玄関廻りは特に確認必須
床下木材(土台・大引き・根太)地面に最も近い構造材で被害発生率が高い
1階柱の地面から1m以内建築基準法で防蟻処理が義務づけられている部位
配管貫通部周辺コンクリートに穴があり侵入経路になりやすい

6. 神奈川県でのシロアリ被害 エリア別注意点

神奈川県内では、ある会社1社でも年間約1,200件のシロアリ防除工事が実施していると発表しており、エリアによって出現する種類と被害の程度が異なります。

左右にスクロールして全項目をご確認ください
エリア主な種類特記事項
湘南沿岸(藤沢・茅ヶ崎・鎌倉)ヤマトシロアリ+イエシロアリ6〜7月夕方の灯火に茶褐色の羽アリが集まったら要注意
三浦半島・横須賀ヤマトシロアリ+イエシロアリ温暖な沿岸部でイエシロアリの被害が多い
横浜市・川崎市ヤマトシロアリ中心4〜5月の黒い羽アリの大量発生に注意
丹沢・箱根山系近隣ヤマトシロアリ中心多湿環境のため腐朽との複合被害に注意
内陸部(相模原・厚木など)ヤマトシロアリ中心標準的な5年サイクルの予防処理を実施

7. 業者選びのポイント

内容の確認

1

シロアリ対策のみであれば相見積もりを取る(価格と保証内容を比較)

2

施工方法、使用する薬剤の種類・安全性・過去の実績の有無を確認

3

施工後に保証があればその内容を確認

悪質業者に注意

以下のような業者には注意しましょう。

!

突然訪問して「無料点検」と称し床下に潜り過剰な工事を勧める

!

「今すぐやらないと家が倒れる」と不安を煽る

!

見積もりが著しく安い(または著しく高い)

!

施工内容・薬剤名・保証内容を明示しない

8. 防蟻処理の費用相場

バリア工法(薬剤散布)の費用目安

左右にスクロールして全項目をご確認ください
住宅の広さ予防処理(㎡単価:1,500〜2,000円)駆除処理(㎡単価:2,000〜3,000円)
20坪(床面積66㎡)約10〜13万円約13〜20万円
30坪(床面積99㎡)約15〜20万円約20〜30万円
40坪(床面積132㎡)約20〜26万円約26〜40万円
※ 被害の程度・床下の形状・施工内容によって変動します。

木材補修費用(被害があった場合)

シロアリ被害がある場合は防蟻処理に加えて木材の補修・交換費用が発生します。

1

軽度の食害(部分的な補強):5〜20万円程度

2

中程度の被害(土台・大引きの一部交換):20〜50万円程度

3

重度の被害(構造材の大規模交換):50〜200万円以上

被害が進んでから対処するより、予防処理の方が圧倒的にコストが低いため、定期的な防蟻処理が経済的にも合理的です。

まとめ

シロアリ被害は「見えない」「気づかない」まま進行するのが最大の特徴です。築10年を超えた木造住宅では、リフォームのたびに必ず床下・壁内部の状態確認と防蟻処理を実施することを強くおすすめします。

特に神奈川県の湘南・三浦・横浜南部の沿岸部にお住まいの方は、被害が甚大なイエシロアリが生息するエリアであることを意識し、通常より丁寧な対策が必要です。

5年ごとの再処理を習慣にして、大切な住まいの構造を守り続けましょう。

参考資料

外壁リフォーム・防蟻シロアリ対策のご相談はRESIA(リシア)へ

実績豊富なプロが理想の外壁リフォームプランをご提案します。相談・見積もりは完全無料です。

簡単入力!無料お見積りはこちらから

※ 見積もり・ご相談は完全無料です

神奈川県でRESIAが行うリフォーム時の防蟻・シロアリ対策と、現地調査や床下・壁内確認などのサポート内容